Mr.申告敬遠

野球中心ですが時々他の事も語ります。

夏の甲子園プレイバック 2006年

このシリーズは過去の夏の甲子園大会を

私の記憶を頼りに振り替えるシリーズです

何年かはランダムで選びます。

期間は1996年から2019年。

(この範囲なら記憶がしっかりしてます!!)

なるべく全部お届けできるように頑張ります。

 

 

優勝 早稲田実

準優勝 駒大苫小牧

注目選手 斎藤佑樹早稲田実

     田中将大駒大苫小牧 

 

優勝候補

駒大苫小牧 最強エースの田中将大を切れ目のない打線が援護

横浜 大会屈指の強力打線と層の厚い投手陣

 

他の候補 八重山商工智辯和歌山、帝京

 

ハンカチ王子」と「マー君

2006年大会は二人の主役がいました。

ハンカチ王子」こと斎藤佑樹(現日本ハム)と

マー君」こと田中将大(現ヤンキース)。

前編ではこの二人を軸に話を進めます。

 

ハンカチ王子」「祐ちゃんフィーバー」

名門・早稲田実のエース斎藤佑樹は大会前からの注目投手ではありましたが、

彼が試合で何気ない動作をしてから一気に注目が集まりました。

ハンカチ王子」の呼称の由来でもあるハンカチで、

マウンド上にて汗を拭う姿はファンの心を捉えます。

もともと端正な顔立ちであったのも相まって

「さわやか」「清潔」「凛々しい」などの要素がブレンドされ

彼に注目する人々が増えていきました。

いわゆる「祐ちゃんフィーバー」の始まりです。

社会現象にもなり野球に興味がない人でもその名を耳にするなど

報道も過熱していきます。

”本業の”野球でも斎藤はクレバーな投球で勝ち進み実力も証明していきます。

 

斎藤佑樹VS中田翔

ここが一つのターニングポイント。

斎藤の早稲田実中田翔がいる大阪桐蔭との対戦。

試合前までは斎藤人気はまだ火が付くまでいっておらず、

むしろ大阪桐蔭の人気の方が上回っていました。

その大阪桐蔭の中心が二年生ながら4番に座る中田翔

一回戦でも特大ホームランをバックスクリーンに放つなど彼の存在感は別格。

早稲田実戦でも大阪桐蔭がどう点を取るかが注目されていました。

しかし試合は早稲田実が序盤から得点を重ねリードを広げていきます。

ならば大阪桐蔭も打撃戦は望むところだったのですが、

斎藤の投球に反撃の糸口を見いだせません。

斎藤は相手打者の心理を逆手にとり巧みな投球でかわしていきます。

くわえて制球がよく打者は完全に術中にハマっていました。

そして頼みの中田も斎藤の前にヒットは一本打ったものの3三振を喫するなど

ほぼ完敗でした。 

こうして人気校・大阪桐蔭は大差で敗れ斎藤の名が知れ渡ります。

 

フィーバーの過熱 

結果として彼の早稲田実は甲子園優勝を果たしたのですが、

これで完全に世の中は「ハンカチ王子」一色。

人気だけでなく”実績”も文句なしになります。

これはスーパーヒーローですね。

大会終わってもまでフィーバーが収まらず、

彼の一挙手一投足が連日のように報道されます。

まだ高校生なのにです。

この人気ぶりはあの松坂大輔を超えたかもしれません。

とにかくすごくて、今後どうなるんだろうという感じでした。

 

 

世代最強エース「マー君

もともとは2006年大会の最大の注目は田中将大でした。

二年次より風格もでており、責任感も十分。

速球、高速スライダーととにかく投げるボールがすごかった。

 

彼の駒大苫小牧はダントツの優勝候補。

しかも夏の大会三連覇がかかるというとんでもない状況。

その分、駒大苫小牧と田中は他の強豪校から徹底マークにあいます。

まあ当然でしょう。

そのことと大会前の体調不良もありイマイチ本来の調子が出ない田中。

チームは序盤から大苦戦で見ていてハラハラする展開。

だんだん田中を心配をするような声も出てきました。

しかし、駒大ナインがエースを盛り立てます。

打線がとにかく粘り強く点差があっても食らいつきます。

大量リードを許しても終盤で追いつき逆転するような試合もあり

敗戦目前から奇跡的な復活もしました。

王者がどんどん試練を乗り越えていきチームが段々乗っていきました。

田中も次第に調子を取り戻しボールに切れが戻ってきます。

 

マー君VS智辯和歌山打線

打倒・田中に一番執念を燃やしていたのは智辯和歌山

前年の明治神宮大会智辯和歌山は田中の駒大苫小牧と対戦。

智辯和歌山といえば伝統の強打。

その智辯和歌山が田中のスライダーに全く手が出ずに敗戦。

このことは智辯和歌山の選手たちに火を付け

「田中を打たなければ優勝できない」という目標にまでなりました。

そして雪辱の機会が甲子園の準決勝という最高の舞台で訪れました。

この試合ではリリーフ登板した田中。

コンディションもだいぶ戻ってきており得意のスライダーも切れます。

打倒・田中で対策と練習もしてきた智辯和歌山打線ですが、

田中の投球にバットが空を切ります。

田中も進化していました。

試合は序盤に得点を重ねた駒大苫小牧が田中の力投で逃げ切り決勝進出を果たします。

駒大苫小牧も強豪との激戦続きでしたが何とか決勝まできました。

 

勝戦ハンカチ王子VSマー君 

ついに両者は甲子園の決勝の舞台で顔を合わせます。

ハンカチ王子」こと斎藤の早稲田実

斎藤の好投と打線が好調でほぼ危なげなく勝ち上がり、

マー君」こと田中の駒大苫小牧はチーム力で激戦続きを制しながらと

道のりが対照的なチーム同士の対戦です。

試合は投手戦。

とくに最強エース田中の状態はこの大会最高で投球は圧巻でした。

斎藤もこれまでの安定感は嘘でなく得点を与えません。

終盤まで0-0が続きます。

しかし勝負事なのでどこかで決着をつけねばなりません。

8回表についに試合が動きます。

駒大苫小牧がホームランで先制して1-0

田中の出来を考えれば十分かと思いましたが、

その裏今度は早稲田実が同点に追いつきます。

なんと堅守駒大苫小牧の守備が乱れます。

実はこの大会ちょくちょくほころびが出てたのですが

肝心な場面で進めてはならない走者を進めてしまします。

その隙を早稲田実は見逃さず1-1にスコアを戻します。

早稲田実もわずかなチャンスを確実にものにしたのは見事でした。

そして試合は1-1のまま延長戦へ。

とにかく点が入る雰囲気がしません。

しかし駒大苫小牧が11回表に最大のチャンスを作ります。

一死満塁と千載一遇の場面。

駒大ベンチは打者にスクイズを指示。

しかしスクイズを十分に警戒していた斎藤は三塁走者のスタートを見ていました。

握りはスライダーのまま手が届きにくいゾーンへ投球。

打者はスクイズバントを空振りで三塁走者がアウト。

斎藤に軍配が上がります。

結局試合は1-1のまま引き分け。

勝戦は引き分け再試合となり決着は翌日に持ち越されます。

このことは甲子園史上二回目のこととなります。

 

勝戦引き分け再試合

この試合の注目は両エースの起用法。

駒大苫小牧は田中の温存策を取りながらが戦法だったので

田中はリリーフ登板が濃厚。

一方の早稲田実はここまでほぼ一人でマウンドを守ってきた斎藤。

しかも前日まですべて完投で三連投。

この試合が四連投になるため先発回避でもおかしくない状況でした。

しかし先発は斎藤。早稲田実は斎藤と心中することを選択。

本当で大丈夫か、としか思いませんでした。

打線の調子を考えると総合力は互角。

ミスした方が負けという状況の中試合が始まります。

 

再試合は前日とは違い早稲田実が早々と先行します。

田中を少しでも楽にするための先発した控え投手がつかまります。

そうなると田中はマウンドに上がらざるを得ません。

先行した早稲田実は自分たちのペースで試合を進めます。

駒大苫小牧もホームランで1点返しますが

早稲田実も加点していき8回終わって4-1と早稲田実リード。

とにかく四連投目の斎藤が踏ん張ります。

ここまできたら疲労がどうとか言っていられません。

 

最終回、駒大苫小牧はツーランホームランが出て4-3まで追い上げます。

しかし斎藤も渾身の投球で二死まできます。

あとアウト一つ。

ここで打者はあろうことか田中。

最後かもしれない場面でこの二人の対戦。

なんでしょうかこの漫画みたいな展開。

そして斎藤が田中を三振に仕留めて試合終了。

早稲田実が初優勝を果たします。

ハンカチ王子」と「マー君」の対決はこれで幕を閉じます。

 

試合後

敗れはしたものの駒大苫小牧は見事な戦いぶりでした。

最後はほんの少し歯車が狂っただけです。

三年連続夏の大会決勝進出は決して恥じることではありません。

全国の球児の誰もが駒大苫小牧を目標に戦ってきたわけで、

それらのチームを退けて勝ち上がってきたメンタリティは賞賛しかできません。

 田中将大には試合後に涙はなく清々しい表情を浮かべていました。

ようやく緊張感から解放されたのですからこれで良かったのでしょう。

この後の彼の活躍はプロ野球メジャーリーグと段階を経て

日本球界でもトップの地位を築いていくのは周知のとおり。

 

一方の斎藤佑樹

泣いていました。

相当苦しかったのでしょう。

疲労もある中で投げぬいてチームを優勝に導きました。

「祐ちゃんフィーバー」で野球に集中しずらい状況でも淡々と投げぬいた姿は立派でした。

この決勝戦二試合は現在でも伝説の名勝負として語り継がれています。

 

その他

と言っては申し訳ないが二人の活躍がどうしても目立った大会。

名勝負は他にもあります。

 

大会前に一番沸いたのが組み合わせ抽選会。

一回戦でいきなり横浜ー大阪桐蔭の好カード。

横浜は春のセンバツ優勝校。

大阪桐蔭中田翔を筆頭にタレントが揃う。

それ以前に高校野球ファンからすれば両校の名前を聞くだけで楽しみな対戦。

試合は大阪桐蔭が持ち前の豪快野球で横浜を粉砕。

中盤までは競り合いましたが横浜投手陣が大阪桐蔭の勢いを止められませんでした。

中田翔が放ったバックスクリーン横への大ホームランは観客の度肝を抜きました。

 

そして2006年大会のもう一つの名勝負

ある意味引き分け再試合だった決勝戦よりも語られる試合

智辯和歌山ー帝京

高校野球界屈指の名門同士が準々決勝で対戦しましたが、

これがとんでもない試合。

スコアは13-12と智辯和歌山のサヨナラ勝ち。

点数的にとんでもない乱打戦ですが、

その要因のがほとんどが最終回の攻防にありました。

8回終了時点で8-4と智辯和歌山がリード。

帝京は9回表の攻撃で4点差を追いかける展開で打線が粘ります。

幸運な当たりや智辯和歌山の打球処理が軽率だった場面もあり、

何と5点を入れて大逆転。

おまけにスリーランも飛び出し今度は帝京が8-4と4点リード。

しかし、帝京に落とし穴が、、、。

9回表の攻撃に戦力を投入した結果、投手がいない事態に。

経験者をマウンドに送り込み逃げ切りを図りますが相手は智辯和歌山

その場しのぎが通用するような相手ではありません。

帝京投手陣は制球に苦しみ与四死球が続きあっという間に追いつかれます。

最後の打者も押し出しで試合が終了しました。

野球とは本当に怖いスポーツで高校生にこんな結末を与えるとは。

私はこの試合を現地で観戦してましたが、

最後はあまりに壮絶すぎて席を立てませんでした。

甲子園の雰囲気も異様でしたね。

 

最後に

2006年大会はいろいろな出来事がありました。

現在でもこの世代はプロの舞台で活躍している選手が多く、

彼らを見るたびこの大会のことを思い起こします。

印象はかなり強かった大会です。

また世間の注目も違ったところから集まるなど、

野球以外でも甲子園が盛り上がった年でした。