Mr.申告敬遠

野球中心ですが時々他の事も語ります。

夏の甲子園プレイバック 2004年

このシリーズは過去の夏の甲子園大会を

私の記憶を頼りに振り替えるシリーズです

何年かはランダムで選びます。

期間は1996年から2019年。

(この範囲なら記憶がしっかりしてます!!)

なるべく全部お届けできるように頑張ります。

 

優勝 駒大苫小牧

準優勝 済美

注目選手 ダルビッシュ有(東北)

 

優勝候補

東北 優勝候補筆頭。最強エース・ダルビッシュを擁し甲子園も経験豊富

横浜 エース涌井が存在感抜群。チーム力も試合巧者でレベルが高い。

済美 春のセンバツ優勝校。打線は大会No.1

 

他の候補 中京大中京明徳義塾

 

駒大苫小牧が北海道勢はじめての全国制覇

この大会まで北海道勢は春夏通じても甲子園優勝がありませんでした。

また、東北勢も同じく甲子園の優勝がなく

そのことから「優勝旗が白河の関を越えたことがない」と言われていました。

しかし、2004年大会は東北という圧倒的優勝候補がいました。

本当にこのときは東北の強さが一つ抜けていて、

白河の関越え」は果たされると思っていました。

しかしその東北が三回戦で敗退してしまい、

優勝争いの行方は混沌としていきます。

駒大苫小牧はこの時点で日大三を破るなど快進撃を見せていましたが、

正直決勝まで勝ち進むとは予想していませんでした。

優勝候補の横浜を撃破

準々決勝の横浜戦。

この試合が駒大苫小牧のターニングポイントだと思います。

試合前の予想では、

エース涌井(西武ドラフト1位)擁する横浜が優位。

横浜は持ち前の隙の無さに加え長打力も備えていて得点力も高かった。

しかし、駒大苫小牧も打線は振れていて序盤から涌井を攻略し主導権を得ます。

横浜打線も駒大投手陣を捉えられず試合は進んでいきます。

結局このまま6-1で終了。

内容も駒大苫小牧が圧倒していました。

そして駒大苫小牧への評価が「強い」に変わりました。

その後の準決勝も乱打戦になりましたが勝利します。

決勝は乱打戦

勝戦の相手は済美

打線が強力でやや済美が優位との見解もありました。

しかし、駒大苫小牧は勢いが有り打線も振れているので、

もしかしたら駒大が勢いで押し切るのではないかと予感もありました。

実際試合がはじまると、やはり序盤から得点が動きます。

済美がまずリードするのですが駒大打線もすぐさま反撃します。

中盤まではどちらも点を取り合い試合が落ち着きません。

6回終了時でスコアは9-9。壮絶です。

展開が全く読めませんが、

駒大打線はコンパクトに振っていくのに対し

済美打線はやや振りが大きく一発長打狙いで

加えて済美は肝心な場面でミスがあり

春の王者らしからぬ場面もありました。

エース福井(広島1位)も連投で疲労が明らか。

駒大苫小牧は複数投手制の優位がある。

と考えると駒大苫小牧が少し優位な情勢に変わってきました。

 

終盤に入ると駒大苫小牧済美を突き放します。

済美打線も取り返す力は十分あったのですが

駒大苫小牧投手陣が最少失点で踏ん張ります。

試合はこのまま終了し13-10。

史上まれにみる乱打戦で駒大苫小牧が見事に勝利しました。

 

守備が光った駒大苫小牧

駒大苫小牧大会新記録のチーム打率を残しました。(.448)

すごい数字ですね。

乱打戦が多くそれを勝ち続けたわけですから当然でしょうか。

 

しかし、最も誇れるのは5試合でチームの失策がわずか「1」であったこと。

乱打戦の中でも守備が破綻しなかったことで守る所は守り切ったのです。

大量失点した試合もありますが

エラーしていたら余計な点を与えてしまい 

それが敗退に繋がっていたかもしてません。

この守備力があったからこその優勝だと思います。

 

エピソード

駒大苫小牧の堅守は、

北海道の冬という過酷な時期をむしろ工夫して磨かれたものだったのです。

雪上ノック」といい、

雪でグラウンドが普通なら利用できない状態でノックを敢行。

ある程度雪の地面は踏み固められているとはいえ、

当然イレギュラーバウンドどころの騒ぎではないことは想像に易しいです。

雪上での打球処理をしてきた選手たちなら

土のグラウンド上の守備はイージーでしょう。

 

初出場の済美が「準」春夏連覇

済美高校は春も夏も初出場。

春は優勝、夏は準優勝。

これってすごいことですよね。

もし春夏連覇になれば大快挙でした。

現在では甲子園の常連校として名を馳せています。

校歌もかなり特徴的で一緒に口ずさんでしまうほど。

「やればできる」です。

 

ダルビッシュの圧倒的存在感

優勝こそなりませんでしたが大会の主役はダルビッシュ

前年夏の快投に同年春にはノーヒットノーラン達成と

すでに実績は折り紙付き。

この夏は集大成で間違いなく優勝だけを目指していたでしょう。

一回戦、二回戦は連続完封。

これはもしかしたら全試合完封優勝もありえないか?

というくらい相手を寄せ付けません。

直球に球威があり変化球がどれも一級品。

プロの打者でもてこずるようなボールばかりでした。

加えて表情も落ち着いていて終始変わらず。

メンタル面が成長した証でしょう。

歴代でもここまで完成された投手を見たことがありませんでした。

 

敗戦は悲劇的な幕切れ

しかし、最後に落とし穴が。

三回戦の千葉経大付戦。

ダルビッシュ松本啓二朗(のちに横浜ドラフト1位)の投手戦。

8回終了時1-0で東北がわずかに1点リード。

ダルビッシュは9回あと一人まで失点0。

ピンチではあるが三試合連続完封も目前。

ところが、ここで降雨の影響もあってまさかの失策により失点。

1-1の同点になりそのまま延長突入し、

11回表に千葉経大付が決勝点を挙げ3-1と逃げ切り試合終了。

 

まさかの優勝候補・東北が三回戦敗退。

最後の打者はダルビッシュが見逃しの三振。

彼の表情は「あー、終わったな」という表情。

ときどき笑みを浮かべており涙はありませんでした。 

悔しいながらもやりきった表情か必死に悔しさを抑えていたのかは分かりませんが。

最後はけっして言い訳はせず敗戦を受け入れ甲子園を去りました。

 

最後に 

久しぶりに主役中の主役がいた大会。

ところが終わってみればまた別の主役が現れました。

甲子園の優勝旗は「白河の関」どころか「津軽海峡」を越えて北海道へ。

高校野球の歴史にまた新しい一ページが刻まれました。

しかし、

勝負の世界というのはやってみなければ分からず、

強いものが必ずしも勝つということはないということを思い知りました。

だからこそ筋書きのない戦いは面白いのであって、

勝利したときはどんなものであれ喜びがあります。

もちろん優勝した駒大苫小牧は実力で栄冠を勝ち取ったことは

疑いの余地がありません。

 

大会の主役であったダルビッシュもその実力は発揮しました。

敗戦は非常に残念でしたが仕方がありません。

この後、知っての通り大投手になりましたが、

甲子園が彼を成長させたのは間違いないと思います。